カリウムはナトリウムとともに細胞の浸透圧のバランスを保つ働きがあります。
腎臓でのナトリウムの再吸収を抑え、尿中への排泄を促します。
このため血圧を下げる働きがあります。
腎臓の働きが低下している場合は、高カリウム血症になることがあるので、摂取量に配慮が必要。
里芋、大豆、スイカなどに含まれます。
元素記号
|
K
|
欠乏症
|
筋力低下、苛立ち、食欲不振
|
過剰症
|
過剰症の心配はありません。尿と排泄されます。腎臓の機能が低下しているときは高カリウム血症を招くことがあります。
|
推奨量
|
男性 2g/日 女性 2g/日
|
カリウムはナトリウムの排泄を促す
カリウムはナトリウムとともに体液の主成分で、カリウムは細胞内液、ナトリウムは細胞外液に存在します。
カリウムとナトリウムは互いに濃度を一定に保ち、バランスを取り合いながら細胞内外の浸透圧を維持し、血圧を調整しています。
カリウムはナトリウムを排泄する働きがあり、ナトリウムの腎臓への再吸収を防ぎ、尿中への排泄を促します。
カリウムには血圧降下作用があり、高血圧の予防に有効とされます。
むくみは細胞内にナトリウムと水分が入り細胞が膨れている状態です。
カリウムは積極的にナトリウムを細胞外へ排出するので、むくみが解消されます。
カリウムは果物、野菜、海藻などに多く含まれます。
水に溶けやすいので、生で食べたり、煮物は煮汁ごと食べるのが効果的で無駄なく摂取できます。
水にさらすだけで切り口から流出したり煮ると30%も減少します。
食塩をよく摂る日本人は、カリウムを積極的に摂るようにすることが大切です。
ナトリウムの再吸収を抑制する
腎臓の尿細管でナトリウムが再吸収されるのをカリウムが抑制し、ナトリウムを尿と一緒に体外へ排泄する働きがあります。
カリウムには体内の余分なナトリウムと水分を減らすことができます。
カリウムには筋肉の収縮を緩める働きがあり、不足すると心臓発作の危険性が高まったり、腸管がマヒして腸閉塞になることもあります。
過剰になると高カリウム血症になる可能性が高くなります。
高カリウム血症は、低血圧、徐脈、不整脈など心疾患の兆候が見られます。
進行すると心拍停止を引き起こします。
カリウムは小腸で吸収されます。
小腸で吸収された後、全身に運ばれ、その98%が細胞内液に存在し、細胞外液にはごくわずかしかありません。
カリウム欠乏症
高血圧になる可能性。
筋肉の収縮、弛緩がうまくいかなくなり、脱力感が生じます。
不整脈、むくみなどが現れます。
カリウム過剰症
尿と排泄されるので過剰症は心配ありません。
腎臓の機能低下の際に、高カリウム血症になることがあります。
上手な摂り方
カリウムは植物性食品に広く含まれます。
水に溶けやすいので生で食べるか、煮汁ごと食べる料理がいいでしょう。
減塩食品の中で、塩化ナトリウムとともに塩化カリウムを使用して塩辛さを出す方法があります。
塩化カリウムを利用することでナトリウムの摂取が抑えられるので、減塩対策となるでしょう。
カリウムを多く含む食品
一食当たりの含有量(r)
ひじき 10g
|
440
|
ジャガイモ 100g
|
530
|
ほうれん草 50g
|
345
|
ヤマトイモ 90g
|
531
|
アボカド 100g
|
720
|
バナナ 120g
|
450
|
|
|
|