鉄は血液中のヘモグロビン構成成分です。
不足すると貧血を起こします。
動物性食品に含まれるヘム鉄と野菜などに含まれる非ヘム鉄があります。
非ヘム鉄はビタミンCと一緒に摂るとよい。
ヘム鉄は肉、魚、レバーなどに含まれ、非ヘム鉄は野菜、海藻、大豆に含まれます。
元素記号
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Fe
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欠乏症
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鉄欠乏性貧血、頭痛、動悸、食欲不振、倦怠感
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過剰症
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通常の食事では摂りすぎることはありません。サプリで摂りすぎると、肝臓に障害や鉄沈着症、小児では鉄中毒を起こすことがあります
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推奨量
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男性 10r/日 女性 12r/日
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鉄は酸素を運搬する
鉄は赤血球を作り酸素を全身に運びます。
女性に不足しやすいミネラルです。
鉄は成人の体内に3gから4グラム含まれ、酸素の運搬と貯蔵という重要な働きをしています。
体内にある鉄のうち、70%は赤血球中のヘモグロビンと結合して酸の運搬に利用されます。
10%は筋肉のミオグロビンと結合し酸素の運搬、貯蔵をしています。
0.3%は、酵素と結合しエネルギー代謝にもかかわり、これらは「機能鉄」と呼ばれます。
残り30%は肝臓、骨髄、脾臓などに蓄えられ「貯蔵鉄」と呼ばれます。
出血など機能鉄が減少すると輸送たんぱく質と結合し血液中に運ばれ機能します。
食品に含まれる鉄は、ヘム鉄と非ヘム鉄があります。
体内への吸収率はヘム鉄のほうが数倍高くなっています。
非ヘム鉄は腸管で吸収されにくいのですが、ビタミンCと一緒に摂ることで吸収率が高くなります。
貯蔵鉄が不足すると鉄欠乏症貧血に
体内に吸収された鉄の多くは骨髄に運ばれ、赤血球の合成に使われます。
赤血球が古くなると脾臓で破壊され、その中の鉄は骨髄に回収されます。
回収された鉄は再び新しい赤血球の合成に使われます。
体内に取り込まれた鉄は再利用されるため体外に排泄されるのは1r程度です。
鉄は吸収されにくい栄養素で、なおかつ貯蔵鉄が腸管からの吸収を調節していて、必要以上に吸収されません。
このため通常の食事で摂りすぎることはありません。
再利用の仕組みがあるので、基本的には排泄される1rを補えば欠乏症もないのです。
しかし、女性は月経、妊娠など血液が失われ鉄が不足しやすいのです。
体内の機能鉄が不足すると、酸素が運ばれないことから、めまい、頭痛、食欲不振が起こります。
更に貯蔵鉄まで使い切ると鉄欠乏性貧血となります。
鉄欠乏症
鉄欠乏性貧血を起こします。
頭痛、動悸、食欲不振、倦怠感などの症状が現れます。
成長期の子供、月経のある女性は欠乏しやすくなります。
胃切除術を受けた人も鉄の吸収が減るので注意が必要です。
鉄過剰症
通常の食事で摂りすぎることはありません。
サプリメントなどで過剰すると、肝臓に障害が発生し、鉄沈着症、小児では鉄中毒を起こすことがあります。
上手な摂り方
非ヘム鉄は果物などビタミンCと一緒に摂ることです。
動物性の肉や魚など摂取するとたんぱく質の働きで吸収が促進されます。
鉄を多く含む食品
一食当たりの含有量(r)
豚レバー 50g
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6,5
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鶏レバー 40g
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3.6
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ひじき 10g
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5.5
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アサリ 50g
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1.9
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菜の花 50g
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1.5
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納豆 50g
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1.7
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