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たんぱく質、糖質、脂質、ビタミン、ミネラル

栄養素は性質や働きにより、たんぱく質、糖質、脂質、ビタミン、ミネラルの5つに分類され、「5大栄養素」と呼ばれています。たんぱく質、糖質、脂質はエネルギーになる役割をしています。たんぱく質やミネラルは体を作り、ビタミンとミネラルは体を整える役割をしています。

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たんぱく質
糖質
脂質
ビタミン
ミネラル
食物繊維とフィトケミカル

たんぱく質

たんぱく質

筋肉、内臓、骨、血液、皮膚、髪、など体を作るもので、酵素、ホルモン、免疫物質を作ります。
たんぱく質を構成しているものは、20種類のアミノ酸です。
そのうち9種類の必須アミノ酸が量的に多く、バランスよく含まれているたんぱく質ほど良質とされます。
体内で必要量を合成できないので、食事から摂取しなければなりません。

《必須アミノ酸》
バリン(レバー、チーズ)、ロイシン(牛肉、牛乳)、イソロイシン(鶏肉、牛乳)、スレオニン(卵、脱脂粉乳)、メチオニン(牛乳、全粒小麦)、リジン(魚、卵)、フェニルアラニン(肉、大豆)、トリプトファン(牛乳、バナナ)、ヒスチジン(鶏肉、ハム)の9種類です。

《非必須アミノ酸》
グリシン、アラニン、セリン、シスチン、チロシン、アスパラギン酸、グルタミン酸、プロリン、アルギニン

体を作るだけでなく、代謝反応に不可欠な酵素、機能を調節するペプチドホルモン、神経伝達物質、遺伝子、血液成分、免疫の抗体などにもなり、さらにエネルギーとして1グラム当たり4キロカロリーとなります。
たんぱく質の不足は、体力やスタミナ不足、抵抗力の低下、記憶力、思考力も低下し子供の発達障害にもつながります。
長期不足は生命の危機にもつながります。

アミノ酸スコア
良質たんぱく質かどうか見分ける方法として、食品の必須アミノ酸の構成と比較する方法があります。
この方法で算出された数値が「アミノ酸スコア」で、100に近いほど良質です。
肉や魚、卵、牛乳など動物性食品に含まれるたんぱく質が良質です。

糖質

糖質

脳を活性化し、体を動かす栄養素です。
コメや小麦などの穀物や、果物に含まれています。
体内に入り、ブドウ糖、果糖に分解され、エネルギーとなります。
不足すると、集中力が欠け、働きが悪くなります。
ブドウ糖は脳に蓄えておくことができないので、常に補給しなければなりません。
最低でも毎日100グラム以上は糖質を摂りましょう。
筋肉はエネルギーを蓄えられますが、食べ過ぎると脂肪に変わり体脂肪として蓄積されます。
糖質をエネルギーに変えるには、ビタミンB1が必要です。
豚肉や玄米と一緒に摂るとよいでしょう。

糖質は3大栄養素の一つで、炭水化物とも言われます。
最小単位は、単糖で、単糖類にはブドウ糖と果糖があります。
単糖類が2個結合すると二糖類、多数結合すると多糖類と言います。
糖質の重要性は、脳や神経系、赤血球、筋肉の活動するための唯一のエネルギー源だからです。
血糖値が下がると、これらの機能は低下します。

しかし、摂りすぎは生活習慣病の原因になります。
摂りすぎて余ったブドウ糖は肝臓や筋肉にグリコーゲンとして蓄えられます。
それ以上の摂りすぎは体脂肪として蓄積されます。
ひいては、肥満、糖尿病、脂肪肝動脈硬化の原因となります。
砂糖や果実に含まれる果糖は体内で脂肪に変わりやすいので注意が必要です。
糖質は穀物やイモ類のでんぷんで摂るほうが、糖尿病予防になります。

体脂肪を燃やすには・・・。
体脂肪を燃やすには有酸素運動が効果的です。
糖質や資質は運動で使われます。
脂肪酸は酸素がないと燃えません。
適度な負荷を与える有酸素運動をしましょう。

糖質はビタミンB1がないと消費されません。
糖質は使われないと疲労のもとである乳酸となり体内に残ります。
ビタミンB1が疲労回復のビタミンと言われるのは、糖質の代謝を高め、疲労物質が溜まらないようにしているのです。
糖質を摂るときは、豚肉、ハム、ウナギ、大豆などを一緒に摂りましょう。

糖質を多く含む食品は、赤飯、白米、そば、スパゲッティ、中華めんなどです。

脂質

脂質

脂質は1グラムで9キロカロリーのエネルギーを作ることができます。1グラム4キロカロリーの糖質に比べ効率がいいエネルギー源です。
血液や細胞膜、ビタミンやホルモンを作り、脂溶性ビタミンの吸収を促します。

脂肪を構成する脂肪酸には、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸があります。
肉類に多く含まれる飽和脂肪酸は肥満やコレステロール増加の原因になりますので摂りすぎに注意が必要です。
不飽和脂肪酸は魚、植物油脂に含まれ、中性脂肪やコレステロールを下げる働きがあります。
リノール酸、αーリノレン酸、アラキドン酸は必須脂肪酸で、体内で作れないので、摂取に心がけましょう。

脂肪酸は炭素、水素、酸素からできています。
構造の違いで、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸(二重結合を含む)に分かれられます。
さらに不飽和脂肪酸は、一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸に分けられます。
二重結合の位置により、n-9系、n-6系、n-3系に分けられます。
n-9はオレイン酸、n-6はリノール酸、n-3はαーリノレン酸が代表的で、リノール酸とリノレン酸は体内で合成できません。

ビタミン

ビタミン

ビタミンの役目は体の調子を整えることです。
ビタミンは、糖質、脂質、たんぱく質の栄養がうまく働くために潤滑油となり、体の機能を正常に保ちます。
ビタミンは13種類あります。
それぞれ少量でいいのですが、体内でほとんど作ることができないため、摂取する必要があります。
ただし、サプリメントや健康食品など過剰の摂取は控えましょう。
ビタミンは、水溶性ビタミンと脂溶性ビタミンに分けられます。
水溶性ビタミンは加熱により失われやすい特徴があります。
脂溶性ビタミンは油に溶けやすいので肉や魚と一緒に炒めたり、オリーブオイルと一緒に食べることで吸収率が上がります。

水溶性ビタミン
ビタミンB軍(ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、パントテン酸、ビタミンB6、葉酸、ビタミンB12、ビオチン)。

脂溶性ビタミン
ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンE。

ビタミンの摂取量は所要量として定められています。
所要量とは、健康を保持し、さらに増進するため毎日摂る必要のある栄養素の摂取量です。
しかし所要量は年齢、性別、労働量により異なります。
水溶性ビタミンは過剰摂取しても体外に排出されますが、脂溶性ビタミンは過剰摂取により蓄積され、頭痛や吐き気などの副作用が出ることもあります。
通常の食事で過剰摂取となることは少ないのですが、ビタミン剤で生活習慣病予防している方は気を付けましょう。特に、ビタミンA、Dに気を付けましょう。

ミネラル

ミネラル

ミネラル(無機質)はビタミンのような有機化合物以外で体の調子を整える働きを持つものです。
体に必要なミネラルは、16種類あります。
体内では作れませんから、食べ物から摂る必要があります。
バランスの良い摂取量を心がけましょう。

ミネラルは骨や歯の構成成分として、体の組織を作るうえでなくてはならない栄養素です。
摂取量が不足するとさまざまな病気の引き金になります。
しかし摂りすぎは過剰症を引き起こします。
鉄、亜鉛、銅、マンガンは必要量の数倍で中毒症を引き起こします。
ナトリウムは過剰に摂取していると、高血圧、脳卒中の原因となります。
また、ミネラルは他のミネラルとのバランスが大切で、例えば、リンを多く摂りすぎるとカルシウムの吸収が悪くなります。
カルシウムとマグネシウムのバランスが悪いと、虚血性心疾患。
カリウムとナトリウムのバランスが悪いと、高血圧の原因と考えられています。

食物繊維とファイトケミカル

食物繊維とファイトケミカル

食物繊維は排便を促したり、血糖値の上昇を抑え、発がん性物質の排出、などの効果があり第6の栄養素と呼ばれています。
「食物繊維の摂取量が少ないと大腸がんのリスクが高くなる」との仮説から注目されだしました。
食物繊維は炭水化物として分類されますが、糖質とは異なり消化されません。
食物繊維は大別すると、「水溶性」と「不溶性」のものに分けられます。
豆、いも、野菜、海藻、キノコに多く含まれます。
多くの食品からバランスよく摂るとよいでしょう。

便の状態で食物繊維の過不足がわかります。
・楽に排便できる。
・1〜2日に1回排便する。
・卵3個分くらいの量が出る。
・硬すぎず、軟らかすぎず、バナナのような便。
・便が水に浮いている。

ファイトケミカルは植物が独自に作りだす化学成分です。
色素、苦味、渋み、香りなど。
ポリフェノール、リコピン、カロチノイド、硫黄化合物がよく知られています。

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